
airbnbへの投資は、一般の不動産投資に比べ、初期費用が格段に安く、また都市部であれば空室が生じるリスクが少ないことから、安定した投資対象として注目されています。
最近の民泊ブームをうけ、民泊運用可能な物件を紹介する不動産業者も多くなってきました。2020年東京オリンピックに向け、今後airbnb投資はさらに人気になっていくでしょう。
サラリーマンとして働きながらも安定した収入を得たい、と考えている方にも、おすすめのairbnb投資ですが、初期費用やランニングコストにいくらかかるかよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。
今回は、airbnb投資の初期費用とランニングコストにはどれくらいかかるのか、実際に例を挙げながら紹介していきます。
初期投資は「引っ越し」をイメージする
平均的な費用としてですが、東京23区内で物件を1件借りる場合、初期費用は60〜100万円くらいになるケースが多いようです。
airbnbの初期投資の計算は決して難しくはありません。まず自分がその物件に引っ越すことをイメージすれば、どんなものに費用がかかるのか大まかな予想がつきます。大きく分けて下記の3つが必要となりますね。
- 賃貸契約に伴う費用(敷金や礼金、数ヶ月分の家賃など)
- 内装にかかる費用(家具や電化製品、寝具など)
- その他airbnbスタートアップ費用(ハウスマニュアル、ガイド作成料、カメラ撮影など)
*委託する場合
初期投資にかかるのはこの3つだけです。物件のグレードや内装に関しては個々のホストによるので、一概にいくらかかるとは言えませんが、賃貸物件を利用して運用を始める場合、上記2つを合計して100万円以下で運用をスタートすることができます。(23区で試算した場合)
それでは、初期投資内訳の一例を見てみましょう。
<スタートアップ費用合計>…53.5万円〜78.5万円
・東京都大田区
・賃貸物件(新築1K/最寄駅より徒歩10分)
・オーナー非居住型
・1K・民泊代行サービス利用
- 家賃・敷金・礼金<家賃9.5万x 3ヶ月分>…28.5万円
- 内装…25万円〜40万円
・寝具(ベッド、布団、枕)
・wi-fi設置費用(賃貸物件に付いていない場合)
・テレビ
・冷暖房器具(賃貸物件に付いていない場合)
・冷蔵庫
・電子レンジ
・洗濯機
・テーブル、椅子
・食器類
・カーテン
・ゴミ箱
・バスタオル、顔拭きタオルなど
・清掃用具
など
- airbnbスタートアップ費用…30,000〜100,000円
・リスティング作成(airbnbホームページで掲載)
・写真撮影
・ウェルカムガイド、ハウスマニュアルの作成
・家具購入、組立て代行
など
注意しておきたい点として、airbnbへのホスト登録には一切費用はかからないものの、3で挙げたように、リスティングや物件までのアクセスガイドや部屋のマニュアル(部屋の使い方についての説明など)の作成が必要です。
これらの情報は自作してしまえば、コストはかかりません、しかし、ハウスマニュアルでは多言語(最低限、英語と中国語)で表記をする必要があります。
これは条例によって定められている場合が多く、緊急時の対応(避難方法や病院などの公共サービス利用案内)は外国語で表記しなければいけません。適切な説明をしておくと、ゲストからの高評価にも繋がります。
こういったマニュアルガイドやアクセスガイドはすべて自分で作成するのは難しいですよね。こうした情報の作成は代行業者が請け負ってくれるので、依頼する場合は、初期投資としてカウントしておくことを忘れないようにしましょう。価格はさまざまですが、大体2万円ぐらいで作成依頼が可能です。
民泊代行サービスではスタートアップキャンペーンで、リスティングから写真撮影、ガイドの作成などすべて含めて5万円前後で行ってくれるところが多いです。また、備品の購入や組立て代行を利用すれば、自分の手間暇を割く必要が省けます。
ランニングコストにはどんなものがあるのか
初期投資よりも大切なのが、ランニングコストの試算です。初期投資は今後の収益で回収が見込めます。しかし、ランニングコストの試算を誤ると、毎月見込める利益が減ってしまいます。何に費用がかかってくるか、計画の段階で抑えておきましょう。
それでは、スタートアップの試算のときと同じ物件と仮定して、月々のランニングコストを計算してみましょう。
<ランニングコスト合計>…18万3,500円〜22万7,000円
*一ヶ月の収益を30万円として試算
- 家賃…9.5万円
- 水道・光熱費・ガス料金…1.5万円
- airbnb仲介手数料…宿泊料 x 3%…約1万円
- 消耗品…1万円
- 代行手数料(清掃サービス、言語サービスなど) 売上げx 15〜30%…4万3,500円〜8万7,000円
月の収益を30万円と仮定した場合、手元に残る純利益は約7万〜12万円。初期投資に100万円かかったとしても1年あれば回収できる計算になります。
それでは、それぞれのランニングコストをみていきましょう。
- 家賃に関しては、物件場所と間取りによって異なりますが、例として東京都大田区(2017年1月現在、民泊特区として制定)で1Kの物件を借りた場合は8〜12万円くらいが相場のようです。
- 長期滞在客や家族連れは自炊をする場合が多いので、そうした宿泊客をターゲットにする場合は、多めに見積もっておきましょう。
- airbnbを通して、ゲストがあなたの部屋を利用した場合、3%の仲介手数料が宿泊料から差し引かれます。airbnbはゲストからも約12%の仲介手数料をとっているため、ホストの手数料率はかなり低いです。
- 下記のような消耗品は当然、定期的にコストが発生します。
・トイレットペーパー
・ティッシュペーパー
・石けん、シャンプー、トリートメント
・食料品(サービスする場合)
こうした消耗品を定期的に用意するのが大変という人のために、購入代行を行ってくれるサービスもあります。
5.一般的な代行サービスの料金体系は売り上げの15〜30%に設定されています。もちろん、ホストへの対応や清掃を自分で行う場合、代行料金は発生しません。
コストを抑えるコツ
最後に、少しでも初期費用と運用コストを抑えるポイントを紹介します。
1.極力、代行に依存しない。
すべての運用を代行に委託することも可能ですが、自分に語学力と時間があるのであれば、ホストからの問い合わせは原則自分で対応することで代行コストを下げることを検討するのもよいでしょう。
2.過度なおもてなしをする必要はない。
「日本のおもてなし精神を…」と張り切りすぎて装飾や食事のサービスなどに極端な投資をするホストがいますが、それで経費がかさんでしまっては本末転倒です。
例としてairbnbでは、必ず食事(コーヒーなど)をつけなければならない、などのルールはありません。1〜2名程度の若い観光客をターゲットにするのであれば、最初から食器などもすべて揃える必要はないでしょう。基本的に部屋は寝るところ、と考えている観光客が多いのが実際です。
3.内装でコストを抑える
2に関連して、備品が高級かどうかよりも最低限の清潔感があれば問題ありません。中古品などで安く抑える、家具付きの物件を探すなどして初期投資を抑えてみましょう。
ゲストの予約を増やすために
さて、やっとairbnbで集客を開始したものの全く予約が取れない…こんな状況を避けるためにスタートアップ時にやっておきたいことをいくつか紹介します。
1.リスティングの充実
宿泊者にとって、airbnbに掲載される部屋の情報や写真が唯一の判断材料です。まずは多くのView数を獲得することから始めましょう。View数獲得のために一番大切なのは、写真です。ほとんどの宿泊客は写真をみてその部屋に泊まるかどうかを決めます。多少、費用がかかっても、プロに室内の写真を撮ってもらいましょう。
そのほか、部屋の情報や使用ルールについて、できるだけ細かく説明をしましょう。こうした対応のきめ細かさが良いレビューに繋がります。良いレビューが多いほど、あなたの部屋が上位に表示されます。
2.価格設定
いきなり、自分の希望する宿泊料を設定するよりも、スタートから3ヶ月かけて宿泊料を調整していくのがよいでしょう。まずは市場の反応を伺うため、低めの宿泊料で多く集客し、レビューを稼ぐのが手です。
終わりに
正確な初期投資とランニングコストの計算は継続的な収益を生むために最も大切です。
自分のプランにあった投資方法を考えてみてくださいね。
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