
Airbnbを始めるときに気になるのが英語です。「英語ができないのにAirbnbを運営できるのだろうか」とか「間違った英語を使って誤解されたらどうしよう」などいろいろ心配になることも多いと思います。ここでは、Airbnbの運営における英語によるコミュニケーションについて、どのように対応すればよいのかを説明していきます。
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英語によるコミュニケーションは必要ない?
最近、Airbnbを利用して日本を旅行してきたある外国人がいます。この人をAさんと呼ぶことにします。Aさんは、夫と2人の子供(5歳と3歳)といっしょに日本を2週間旅行しました。そのうちのほとんどすべての滞在をAirbnbのリスティングで宿泊しましたが、トラブルはなかったと言っています。一つだけあえて言えば、部屋の鍵が入っている郵便受けの受け口が狭すぎて、手が入らなかったという問題があったそうですが、その時は3歳の子どもの手を借りてなんとか取ることができたそうです。さらに、驚くことは、ホストにはまったく会わず、日本に着いてから連絡を取ることもなかったというのです。逆に言えば、Aさんのホストは、Aさんが日本にいる間、全く英語でコミュニケーションを取らなくてもAirbnbを運営できたということになります。では、どうしてこのようなことが可能だったのでしょうか。
英語によるコミュニケーションはやっぱり必要、でも・・
Aさんは日本にいる間、Airbnbのホストと全く顔を合わせませんでしたし、連絡を取ることもありませんでしたが、日本に出発する前にメールでたくさんの情報を受け取っていました。もちろんすべて英語で書かれた情報です。そのうちの一つがAirbnbのサイトに載せるリスティングの紹介文です。リスティングの紹介文の作成は大変重要です。ここにどれだけの情報を織り込めるかによって、後々のコミュニケーションが変わってきます。
Airbnbのサイトに載せるリスティングの紹介文
文化の違いに注目する
ゲストが外国人の場合は特に、文化的な考え方の違いもあり、日本語による紹介内容よりもさらに詳しい情報が必要になります。またアジア系の外国人と西洋系の外国人でも違いがあります。例えば、日本では家や部屋に入るときは必ず靴を脱ぎます。これは東南アジアのほとんどの国では共通しているようですが、西洋ではそのような習慣がなく、室内でも靴を履いたままです。ですから、リスティング内に入るときにどのようにしてほしいのかといった説明が必要になってきます。それもただ「靴を脱いで上がってください」だけでは、印象が薄いので、つい忘れてしまうこともあります。なぜ靴を脱ぐ必要があるかを説明することで、理解してもらいやすくなり、頭の中に残るようになります。
ゲストそれぞれのニーズに注目する
また、同じ文化圏から来た場合でも、人によって違いがあります。上述の例では、Aさんには幼い子供が2人いましたから、それが一つの条件になります。特に、子供用のベッドがあるのかないのか、ない場合はどのように寝かせればいいのかなどをはっきりさせる必要があるでしょう。こうしたことは一例にすぎませんから、あらゆる場合を想定して、質問されそうな内容の洗い出しをする必要があります。そしてもう一つ大切なことは、自分をゲストの立場において、他のAirbnbの物件に泊まってみることです。そうすれば、どんなことが必要か、何が足りていないか、体験を通して理解できると思います。
事実に忠実な紹介文、そして120%の満足度
もう一つ大事なことは、「紹介文」であることを意識しすぎるあまり、印象を良くしようとして、事実とは違うことを書いてしまわないように注意するということです。わざと悪く書く必要はありませんが、本当のことを正直に書く必要があります。ただし、例えば、キッチンのコンロが壊れているというような問題がある場合は、書かなくてもいいですが、ゲストが来る前までに完全に直してしまうことです。「何も壊れていない」「何も足りないものがない」そういう状態を作り出せば、後でトラブルが起きる可能性は低くなります。欲を言えば、ゲストが120%満足できる状態を作り出すことを心がけてください。そうすればトラブルは皆無に近くなるでしょう。
翻訳文は精度の高いものを
さて、こうしたことをすべて英語で準備するのですが、間違ってもインターネットの翻訳アプリケーションは使わないでください。ずいぶん良いものが出回るようになりましたが、残念なことに、まだまだ誤解を生みそうな翻訳しかできていません。「とにかく英語で書いてあればなんでも良い」と思う人もいるようですが、誤解を生むような訳ほど怖いものはありません。少しお金を掛けてでも、Airbnbの運営サポートや品質を保証してくれるような良い翻訳サービス会社に頼んだほうが無難です。
部屋のルールをまとめた「ハウスルール」
「見える化」のすすめ
リスティング内に置くメモ書きなども、ゲストが到着する前にメールで送って読んでおいてもらうと、実際に到着した場合に、スムーズに環境に対応できるでしょう。また、キッチンやバスルームなどの使い方は、細々と文で書くよりも、写真やイラストなどを使って「見える化」を図ると、こちらの言いたいことが伝わりやすくなります。「見える化」とは、一目見ただけで何を言わんとしてるかがわかるようにするということです。その一番良い例は、道路や公共の場で使われている標識などです。こうしたものは世界共通になっていて、言葉が通じなくても、一目見ただけで意味が分かるようになっています。同じような考え方をAirbnbの「ハウスルール」にも当てはめると効果的です。ただし、絵や図だけでは伝わらない場合もあるかもしれませんので、念のために、そうした「標識」の下に説明の言葉を英語で入れておくと更に効果が増します。
「動画」の利用
こちらの言いたいことを伝えるもう一つの手段は動画です。実際には、意思の伝達は「動画」「画像」「書いたもの」の順で効果があるとされています。ですから、できれば動画(ビデオ)を作って使い方などを説明するのが最も効果的ですが、このためには、英語を話せる人に登場してもらわなければならず、必ずしも現実的ではないというデメリットがあります。いずれにしても、一つの方法として検討してみてください。
メールのやりとり
さて、リスティングの紹介文も準備でき、ハウスルールも準備できたとして、次に考えなければいけないのが、ゲストからの問い合わせへの対応です。実際には、これが一番頭の痛い問題かもしれません。なぜなら、ゲストがどのような問い合わせをしてくるのか完全には予想できず、準備することができないからです。ただし、前述の準備でかなりの情報をゲストに送ってありますから、問い合わせが洪水のようにやってくることはないでしょう。英語は読めて、ある程度理解できるけれど、書くのが苦手と言う人は、ゲストの質問などをまとめた書籍があります。以下に関連の書籍を2つ紹介します。参考にしてみてください。
・「Airbnb 頻出英語メールテンプレート雛型 60文例集」
http://airstair.jp/airbnb_template/
・「Airbnbゲストからよくある質問&回答例文集 英語ができなくてもコピペで対応可能!: 質問19選と回答例文70 1ヶ月の売上350万の民泊」
反対に、英語が全くできないという場合は、Airbnbの運営サポートチームや翻訳会社などに、受け取ったメールを転送して、内容の説明を受け、それへの回答を英語で直してもらってからゲストに送るのが良いでしょう。これだけの準備をしても、何か予期しないことが起こることもあります。その時にあわてないように、「最悪の場合の対応方法」を決めておくことも大切です。それには、Airbnbの運営サポートチームや知人で英語が話せる人などに助けてもらえるようあらかじめお願いしておくとよいでしょう。
Airbnbのビジネスチャンスをつかもう
今、Airbnbは大きなビジネスチャンスを持った分野です。そのチャンスを、英語ができないことであきらめてしまうのはあまりにも残念です。コミュニケーションにおいて、何が必要で、何が大切なのかを理解し、準備をしっかりしておけば、英語ができなくても対応できるのです。
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