
副業として注目が集まっているairbnb。自分もやってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。そうなると気になるのは、本当に利益を上げることができるのかという点ですよね。せっかく手間と時間をかけて民泊を運営しても利益があがらなければ意味がありません。
では、airbnbを利用して民泊を運営すると、どの程度の収益が見込まれるのでしょうか?今回は、副業としてairbnbを利用した民泊を運営した場合の収益について考えてみましょう。
1.airbnbの収益とは
airbnbで得られる収益とは、所有する物件に予約が入り、ゲストが宿泊することによって発生する宿泊料金のことで、ここから費用を引いたものが実際の利益となります。
airbnbのサイトを利用する場合、サイトの利用料やアカウント使用料などは全て無料となっています。なので、自分の所有する物件をairbnbに登録し掲載することには、一切費用がかかりません。airbnbに費用を支払うことになるのは、airbnbのサイトを通して物件に予約が入り、宿泊契約が成立した場合のみになります。airbnbサイトに掲載していても、実際の予約が入らないうちは、費用が発生しないため、これから民泊を始めようという人にはありがたいシステムになっています。
airbnbを利用して所有物件に予約が入った場合、ゲストとの金銭のやりとりは全てairbnbサイトを通して行います。ゲストは宿泊料+手数料をairbnbに支払い、物件所有者は、そこから手数料を引いた金額を宿泊料としてairbnbから受け取る形となります。
airbnbの手数料とは
airbnbサイトへの登録や物件掲載、予約などのシステム利用は全て無料ですが、サイトを通して宿泊予約が入り、契約が成立した場合には、手数料をairbnbに支払わなければなりません。
ゲストがairbnbに支払う手数料は、宿泊料金の6~12%で、場合によってはそれより安くなったり、逆に高くなったりすることもあり一律ではありません。ゲストが宿泊予約を確定する前に、手数料の金額が表示されるので、その金額でOKなら予約を確定させる形になります。一般的には宿泊日数が長いなどで合計の利用金額が高いほど、手数料の割合は低くなります。
物件所有者であるホストがairbnbに支払う手数料は、宿泊料金の3%です。ゲストがairbnbに入金した宿泊料金から3%引かれた金額がホスト側に入金されます。
【具体例】
・宿泊料金が一泊10,000円の物件に3泊、清掃料金が3,000円の場合
(宿泊料金10,000円×宿泊日数3泊)+清掃料金3,000円=33,000円
手数料=33,000円×3%=990円
宿泊料33,000円-手数料990円=32,010円
という計算になり、収益は32,010円と計算することができます。
2.収益をairbnbサイトでシミュレーションする
airbnbサイトでは、無料で簡単に物件の収益をシミュレーションすることができます。必要な情報は、物件のある住所と、貸し切り、個室、シェアルームの種別、宿泊可能人数の3点を入力するだけで、週当たりの予想平均収益が表示されます。これを参考に、物件をどのあたりに所有すれば効率がいいのかを検討することができます。
例えば秋葉原駅から徒歩10分の地域に、貸し切りで3名用の物件を運営すると仮定します。この条件をairbnbサイトに入力しシミュレーションしてみると、週あたり37,178円の収益が出ると計算されます。1週間あたりの収益なので、一か月を30日とすると、一か月あたり159,334円の収益が出る計算になります。こちらのサイトの数字はリアルタイムで更新されていますが、立地と人数、貸し切りか否かだけを基準とした簡易的な計算なので、もう少し詳しくシミュレーションする方法をご紹介します。
まずは、シミュレーションしたい物件の近所にある、同条件の物件をairbnbサイトから探しましょう。同じような駅からの距離、部屋の広さ、宿泊人数の物件を検索し、だいたいの家賃相場を把握しましょう。上記の秋葉原の例で検索すると、似たような物件で、宿泊料金は一泊8,000円~9,000円程度が相場だとわかります。
家賃の相場がわかったら、今度は一か月に予約が入っている稼働日数を確認しましょう。似たような物件のチェックイン日をクリックすると、その月の空き状況が表示されます。予約が入れられない日は、すでに予約が入っていて、稼働している日と考えられるので、当月、翌月の予約状況を見て、だいたいの稼働日数を確認しましょう。
秋葉原の物件では、一か月31日中、空いているのが5日だったので、宿泊予約が入っているのは、26日だと考えられます。
収益は、宿泊料金×稼働日数で計算できるので、家賃を8,500円と想定、稼働日数が26日だと想定すると、8,500円×26日で、一か月間の収益は221,000円程度になると想定することができます。
また、airbnbサイト以外でも民泊のシミュレーションを行っているサイトがいくつかあります。無料で利用できるところでは、Mister Suite(ミスタースイート)のシミュレーションサイト(https://www.mistersuite.com/simulation/)が使いやすく便利です。
こちらのサイトでは、郵便番号や住所から物件所在地を指定できるので、自分の所有物件をより詳細にシミュレーションすることができます。また、部屋の広さや間取り、駅からの距離などより詳細な条件も計算の対象になります。
先ほどの秋葉原の物件でシミュレーションしてみると、今後一年間の収益予測が表示され、最低月で223,000円、最高月では364,000円の収益が上がると予想されました。airbnbサイトのシミュレーションより高額な収益があがるという結果になりましたが、この結果はあくまでも各条件から予測されたもので、実際は物件のきれいさ、周辺の状況、季節やイベントの有無などの様々な要件によって、稼働率は大きく左右されるので、あくまでも参考数値と考えましょう。
Mister Suite以外にも民泊の収益予想サイトは多数あります。より詳細な収益シミュレーションを行いたいなら、民泊代行業者が運営している、有料のシミュレーションを利用するのもいいでしょう。有料ですが、自社の持つ民泊運営のノウハウから導いた独自の計算で、詳細に収益シミュレーションを行いレポートにまとめてもらえます。一件あたり3,000円程度からなので、物件選びに悩んだときなど、必要に応じて使ってみることをおすすめします。
3.収益をあげるには
民泊運営で得られる収益をアップさせるには、大きくわけて2つの方法があります。一つ目は、一泊当たりの宿泊料金を上げる方法、そして二つ目は、所有物件の稼働率を上げる方法です。
airbnbサイトでは宿泊料金の設定などを簡単に変更することができるので、宿泊料金を値上げすることは簡単です。しかし宿泊料金を上げることで、予約が入らなくなり、稼働率が下がってしまう危険があります。また、稼働率をあげるために、一番簡単な方法は、宿泊料金を下げることです。誰だって、安くていい部屋に宿泊できるお得な物件を探しています。そのため宿泊料金を下げることは、稼働率のアップにつながります。しかし稼働率が上がっても、宿泊料金が下がってしまったのでは、手間だけが増えて得られる収益がダウンしてしまうという可能性もあります。
宿泊料金と稼働率の間には、切っても切れない関係性があるのです。そのため、稼働率と宿泊料金ともに最適な状態を保つことが、収益のアップには必要になってきます。そのためにはどうすればいいのか考えてみましょう。
①民泊をスタートする時に最適な宿泊料金とは?
宿泊料金を設定する時には、同じ地域の同じような条件の物件の宿泊料金を参考にしましょう。airbnbサイトで近隣物件の宿泊料金を調べることができるので、そちらを参考にします。
これから民泊を始めるという時に、周囲の同じような条件の物件と同程度の宿泊料金を設定してしまうと、残念ながら予約はなかなか埋まりません。なぜなら、airbnbサイトでは、それまでに宿泊利用したゲストの口コミ評価が重視されているからです。
民泊は、マニュアルがあり清掃などが行き届いているホテルと違い、一般の住宅を一般の人から借りるわけですから、物件ごとに建物の新しさや、清掃の行き届き具合、寝具やタオルなどの清潔感、備品の充実度などに違いがあります。いくら清掃済みといっても、清掃する人によってきれいの基準は違っています。誰だって、きれいで快適な部屋に泊まりたいですし、清潔感のない部屋には宿泊したくありません。その判断基準となるのが口コミ評価なのです。
口コミ評価が重視されているため、民泊を始めたばかりで、口コミ評価がない物件はゲストの信頼が得られず、敬遠されがちです。そのため口コミ評価のない物件が、同地域同条件の物件と同じ価格を設定してしまっては、予約が入りません。そのため、民泊をスタートする時には、周囲の物件より2割程度安い価格を設定し、口コミ評価がない分、お得度をあげることで予約をいれてもらえるようにします。
ゲストからの口コミ評価がある程度の量溜まるまでは、宿泊料金を相場より安めに設定して、稼働率をあげることを目指しましょう。また、この時期の口コミは、今後の稼働率を決める重要な口コミとなります。悪い評価をされないように気を付けましょう。
ゲストからの口コミ評価がある程度溜まって、予約が埋まるようになったら、少しずつ相場の宿泊料金に近づけていきます。この宿泊料金を値下げしている期間が短く済めば、それだけ早く利益の出る、儲かる物件になります。ある程度の期間は先行投資だと思って、宿泊料金の値下げをしましょう。
②民泊が軌道に乗ってからの宿泊料金の設定は?
口コミ評価が集まり、周辺の物件と同程度の宿泊料金を設定しても予約が入るようになってきたら、週末やイベント時など予約が埋まりやすい日には、料金設定を高く設定したり、逆に予約が埋まりづらい日には、宿泊料金を安く設定したりして、稼働率と宿泊料金のベストな状況を作っていきます。
また、airbnbサイトでは、基本となる宿泊料金の他に、清掃料金や長期滞在料金、週末料金、人数追加料金なども設定することができます。これらをうまく設定することで、より収益を高めることができます。
基本の宿泊料金は、airbnbサイトでは必ず設定しなければならないもので、一泊あたりの宿泊料金のことを指します。金、土曜日に限っては、平日より高い週末料金を設定することもできます。
清掃料金は、一泊ごとに発生するものではなく、日数に関わらず一度の滞在に対して、一度の清掃料金が発生する仕組みになっています。1泊でも5泊でも同じ一回分の清掃料金が発生するため、長期滞在したほうが、一泊あたりの宿泊料金が安くなる計算になります。設定することで、1泊だけの利用を減らし、長期滞在を促す効果があるといえるでしょう。
長期滞在料金は、7泊以上の週割り、28泊以上の月割の二種類があります。月割の料金を設定することで、長期滞在に絞って検索しているゲストに、物件が表示されるようになります。長期滞在料金は、基本の宿泊料金より安く設定しますが、長期滞在の予約が入ることで、稼働率があがり、複数のゲストとメッセージのやりとりや鍵の受け渡しなどをする手間が省けます。また清掃に入る回数も少なくなるので、長期滞在にはホスト側のメリットが多くあるので、設定することをおすすめします。
追加人数料金は、基本の収容人数を超えて利用する場合に、追加一名ごとにプラスされる料金のことです。
あらかじめ基本料金を安く、基本の利用人数を少なく設定しておくことで、基本の宿泊料金が低くなり、検索結果が表示された時に安い物件に見えるので、ゲストの注目を集めることができます。しかし、物件の収容可能人数に対して、少人数の予約が入ってしまうため、利益がすくなくなるリスクが発生します。
逆に、基本料金を高く、収容人数も多めに設定しておけば、大人数の予約が見込めますが、検索結果に表示される料金は高くなってしまいます。
一般的に大人数の予約は、早めに入ることが多く、日程が近い直近の予約はだいたいが少人数のものです。これは、友人同士などの大人数グループ旅行などの場合、あらかじめ観光する場所などのスケジュールをしっかり組んでいることが多く、逆に一人旅や二人程度の少人数の旅行では、行き当たりばったり的なフリースケジュールを取っている人が多いからだと考えられます。そのため、直近になっても予約が埋まっていない時には、収容人数を減らし、基本料金も下げることで、予約が入りやすいように調整を行い、稼働率をあげて収益を増やすことを目指しましょう。
airbnbサイト上から宿泊料金の変更は簡単に行うことができます。周辺の物件の予約状況や、近隣で行われるイベントなどをマメにチェックして、人気のある日程は宿泊料金を高く、予約が入りづらい時期には、価格を下げて稼働率をあげるように調整していくことが、収益アップの秘訣になります。
終わりに
airbnbと収益についてまとめてみました。airbnbを経営する以上、少しでも早く、たくさんの収益をあげたいものです。そのためには、airbnbサイトを上手に使って、宿泊料金と稼働率の最適化を図ることが重要なのです。
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