
2016年11月に発表されたairbnbの新サービス「トリップ」は、これまでにairbnbが提供してきた旅行者と宿泊先をつなげる民泊サービスに加えて、滞在先でのアクティビティを提供することで「旅行全体を容易でマジカルな体験」にすることを目指すサービスです。このサービス、うまく活用すればairbnbの集客にも一役買いそうです。そんな新サービス「トリップ」についてまとめてみました。
1. airbnbの新しいサービス、トリップとは?
今までのairbnbは、旅先での宿泊場所を提供するサイトでした。新サービスは、それに加えて旅先で地元のエキスパートが主催する、様々な体験や観光などのアクティビティを提供するサービスのことで、旅先で現地の文化や日常、そこに住む人々と触れ合えるようになるのが「トリップ」です。
トリップの提供により、旅行において大切な要素である宿泊先と、旅先でやりたいことの両方が、airbnbサイトから検索、予約できるようになりました。
現時点で、トリップに登録されているのは、東京を自転車に乗ってサイクリングする体験や、飾り巻き寿司を作る体験、日本酒や焼酎のテイスティング体験、和食を作って実際に食べてみる体験など、様々な体験が提供されており、この数は今後どんどん増えていくと見込まれます。
料理や着付け、サブカルチャーに詳しいといった趣味や特技があれば、それをいかしたトリップを作成することが可能ですし、特に得意分野がないという場合には、近隣の観光地や写真スポットを案内する、温泉や銭湯の入浴ルールをレクチャーする、地元のお祭りを案内する、といったことでも十分魅力的なトリップになります。アイデア次第で、人気トリップを作成することが可能なのです。
2. トリップを利用したairbnbの集客
airbnbの集客にトリップを利用することもできます。airbnbで提供している宿に宿泊することで、魅力的なアクティビティを体験できるとなれば、それは他の施設との差別化につながります。
例えば、民泊で提供している部屋で、和食の料理教室を開催すれば、和食を習ってみたいというゲストにとっては、ほかの宿より魅力的な宿になりますし、近くに観光地があるなら、地元の人間しか知らないようなマニアックな情報満載のツアーを開催するなどもよいでしょう。
季節は限定されますが、お花見やお祭り、花火大会などのイベントも利用できますし、近隣の飲食店や銭湯などの施設と提携することで、様々なプログラムを展開できます。トリップでゲストの興味を引くアクティビティを提供できれば、そこからairbnbでの宿泊予約につなげていくことが可能なのです。
3. airbnbが目指す方向性について
トリップに続いて、「スポット」という新サービスが近日公開される予定です。このサービスは、世界中で100万人を超える人が、地元でオススメする場所やお店の情報を掲載するもので、隠れた名店やマニアックな観光スポットなどガイドブックには載っていない、気になる場所を探すことができます。掲載されているお店は、airbnbサイトから直接予約できます。
ほかにも、2017年春までに音声ガイドツアーの公開が予定されているほか、airbnbの利用者同士がつながるミートアップ機能もリリース予定です。
今まで、旅行の予約といえば、旅行代理店に任せるか、個人で手配するなら、航空券と宿泊先、現地のオプショナルツアーに毎食のレストランと、全て別々に調べて予約するという面倒なものでしたが、トリップ機能によって、airbnbサイトから宿泊先と現地での体験の二つが予約できるようになり、この先、スポットが公開されれば、レストランの手配も可能になります。
airbnbの究極的なビジョンは、旅行の準備を全面的に行い、旅を初めから終わりまで容易かつマジカルなものにすることと表明しており、airbnbは、宿泊先の提供サイトから、旅行全体をまとめて提供できる、「総合旅行サイト」に変換していくと考えられます。
今までのairbnbサイトは、宿泊先を提供することがメインでしたが、新機能のトリップや今後リリースされるスポットなど、体験やお店など、旅行先で発生するすべての事柄を、airbnbだけで管理できるようになります。
airbnbの物件探しの際には、このことを念頭において、魅力的なアクティビティが提供できるのかを考えてみる必要が出てきそうです。
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